世界を旅する薬草のボトルたち~天界からの緑の贈り物~②
感情を癒し穏やかにするための6つの薬草のボトル
春が深まり、木々の緑がよりいっそう鮮かになってきました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
4月に3回にわたってご紹介する『世界を旅する薬草のボトルたち~天界からの緑の贈り物~』。
第二弾として、『感情を癒し穏やかにするための6つの薬草のボトル』を、美しい波音が響く海辺の、白い砂の上へと並べさせていただきました。
★ボリジ(パワーオブフラワーヒーリングエッセンス)
★ラベンダー(パワーオブフラワーヒーリングエッセンス)
★カモミール(FES北アメリカエッセンス)
★ピンクヤロウ(PHIエッセンス)
★ディル(FES北アメリカエッセンス)
★セントジョンズワート(FES北アメリカエッセンス)
長きにわたり人々の心にやさしく触れ、その傷を癒してきた植物たちは、寄せては返す透明な波のように、地球の仲間たちへと深遠な愛を贈り続けているのです。
それでは、目の前に並んだ、薬草から創られたエッセンスボトルから、気になるボトルをおひとつ、お手に取られてみてください。
さらさらと心地よい海砂へと、そっと体を預けて、ご自身のいま感じていらっしゃる「こころの風景」を、ただそのまま静かに抱きしめてみてください。
貴方の指先によって選ばれたボトルは、神秘的な波音に呼応して、まるで魔法のように、白くかがやく貝殻へとその姿を変えてゆきます。
波音を聴きながら、光る貝殻を胸に抱いて、そっと目を閉じてみましょう。
エメラルドグリーンの波によってすべてが美しく洗われてゆくような、光に満ちた癒しの時間(とき)を、どうぞゆっくりとお楽しみくださいね。
★感情を癒し穏やかにするための、1つ目の貝殻
パワーオブフラワーヒーリングエッセンス「ボリジ」
ボリジは、ムラサキ科ルリジザ属の一年草です。古代ギリシア時代から勇気をもたらし、憂鬱を追い払う薬草として珍重され、馬上槍試合では勇気を奮い起こすために使われたそうです。古くから心臓の強壮剤として、精神を高揚させる薬草としても知られています。
現代でも、高いリラックス効果があり悲しみを取り去るハーブとして使われていますが、一方で副腎との親和性が高く、アドレナリンの分泌を増加させる作用があるということ分かっています。
ボリジの茎や葉は、細かい白い毛に覆われています。産毛のような柔らかな毛のように見えますが、実際には剛毛で触れるとチクチクした刺激を感じ、それによって皮膚がかぶれることもあります。花は星形で、うつむくように下向きに咲きますが、とても涼やかな青色をしています。
開花期のボリジは、悲しみに沈みうなだれた傷つきやすい子供のようにも見えますが、その一方で、触れるものをはねつけるような強さと自らを守る力、そして青く光る星のようなクールな視点をも持ち合わせています。
花びらの青色はとても印象的で、ひんやりと涼しげですが、実際にボリジには冷却作用があり、発熱時やさまざまな炎症にも使われています。
ボラージュのフラワーエッセンスのキーワードは、信頼と勇気。傷ついたハートを癒し、楽観的な物の見方や、障害を乗り越えるための勇気を与えてくれます。
目の前に立ちふさがる難しい局面や、チャレンジを伴うような出来事に対して、プレッシャーを感じてしまうような時に、憂鬱を解消し、落ち込んだ心を明るく軽やかにすることを助けてくれます。
悲しみや憂鬱のような重い感情を、勇気をもって乗り越えようとする時、ボリジのフラワーエッセンスは、「古の騎士が持つ槍の青白い光」のように、「頭上で涼やかに光り続ける青き守護星」のように、私たちの人生を明るく、そして力強く照らし出してくれるのです。
★感情を癒し穏やかにするための、2つ目の貝殻
パワーオブフラワーヒーリングエッセンス「ラベンダー」
ラベンダーは、シソ科ラヴァンドラ属の小低木です。数千年の昔から、ラベンダーのリラックス効果のある心地よい芳香は、多くの人々に愛されてきました。
主な薬効は揮発性油によるものであるため、アロマテラピーで非常に多く活用されています。その香りは感情のバランスを整えると言われており、日常のさまざまなストレスや軽減します。また精神を高揚させ、緊張を緩め、不安や落ち込みを和らげるため、神経の強壮剤としても使われています。
ラベンダーはすらりと細い垂直の茎を、まっすぐに伸ばし成長してゆきます。天へと向かうその姿は、神聖な青紫色の衣をまとい、その芳香で私たちを慰めながらやさしく導く、清らかな天使たちのようにも見えます。
ラベンダーのフラワーエッセンスのキーワードは、祝福、癒しと慰め。
パワーオブフラワーヒーリングエッセンスのプロデューサーのイーシャ・ラーナは、ラベンダーを大天使ラファエルと結びつけています。
ラベンダーのエッセンスを使うことによって、ラファエルが青紫色の翼で私たちを包んでいるかのような、深いレベルでのヒーリングがもたらされます。私たちはエッセンスを通して、いつでも大天使の恩恵を受けることができるのです。
またイーシャは、強力な薬効のあるラベンダーの精油とラベンダーのエッセンスを組み合わせて使うことを推奨しています。心地よい香りのする天然のラベンダーオイルに、同じ植物から作られたエッセンスを混ぜてマッサージをすることで、背骨を緩め、肩や首の緊張を解き、深くリラックスすることを助けてくれるのです。
ストレスや逆境にさらされている時、ラベンダーのエッセンスは、満開のラベンダーの花畑にいるかのように、やさしく神経をなだめ、感情を落ち着かせくれます。ボトルの放つ清純な青紫色の光は、魂に深い安らぎをもたらし、大きな翼をもつ天使のように私たちを慰めてくれるのです。
★感情を癒し穏やかにするための、3つ目の貝殻
FES北アメリカエッセンス「カモミール」
カモミールは、キク科シカギク属の一年草です。
薬用として使われるのはローマンとジャーマンの2種類となりますが、FESのカモミールはジャーマン種のカモミールから作られています。栽培の歴史は古く、2000年以上も前から薬用ハーブとして活用されているカモミールは、感情を安定させ、不安や動揺、緊張を和らげる植物として使われ、ほかにもさまざまな薬効が知られています。
落ち着きがなく活動過多になったり、神経過敏で不眠がちな大人や子供たちが、心落ち着く香りのカモミールティーを飲んだり、お風呂へ入れて使うことでストレスを静めて、自然な形で安眠を誘う効果があります。
薬用ハーブとしてのカモミールは、特に神経系と消化器と親和性の高い、優れた弛緩剤ともなります。
かつてエジブトの人々は、カモミールの優れた薬効を称え、太陽神ラーへとその花を捧げました。陽だまりの中で、太陽に向かって開花するカモミールは、まさに太陽のエネルギーを持つ植物だと言えるでしょう。
カモミールのフラワーエッセンスのキーワードは、太陽のエネルギー、感情のバランス、胃腸。
1日を通して、精神の緊張を胃のあたりに溜め込む傾向がある時、感情の座である第3チャクラのバランスをとり、苛立ちや怒りなどの滞った感情を、パワフルに開放することを助けてくれます。
キク科の小さな白い花が一面に咲く、カモミール畑の光景は、可愛い子供たちのたくさんの笑顔が集まっているようにも見えます。カモミールのエッセンスは、まるで太陽の下で笑う子供のような、ほがらかで素直な気持ちになることを助けてくれます。
明るい光を日常へと呼び戻し、私たちが本来持っている感情の健全さを取り戻すことを、かつて神に捧げられ、その小さな体いっぱいに太陽の光を取り込んだカモミールのエッセンスが、しっかりとサポートしてくれることでしょう。
★感情を癒し穏やかにするための、4つ目の貝殻
PHIエッセンス「ピンクヤロウ」
ピンクヤロウは、キク科ノコギリソウ属の多年草です。ヤロウは古代ギリシアやエジプトの時代から、薬用植物として長く使われてきた歴史がありますが、5万年前のネアンデルタール人の洞窟から、他の薬用植物と一緒にヤロウの花粉が発見されていて、当時の人類の薬箱に入っていたのではと言われています。
紀元1世紀ごろ、古代ギリシアの医師のディオスコリデスが、ヤロウが戦場で兵士の傷を癒すのに役立ったと、著書にしるしています。
学名はアキレア・ミルフォリュームというのですが、アキレアというのは、ギリシア神話に出てくる不死身の戦士アキレスが、友達の傷を治すためにこの植物を用いたことに由来します。第一次世界大戦まで、傷の手当に利用されてきたので、兵士の薬草とか、止血草という名前もあります。またヤロウという名前は、ギリシア語で「神聖な」という意味の言葉に由来し、ネガティブなエネルギーや災厄から身を守るために魔よけとしても用いられたそうですが、アメリカの先住民族の方たちは、浄化の儀式でピンク色のヤロウを使用するのだそうです。
ピンクヤロウのフラワーエッセンスのキーワードは、感情レベルの防御。まるで光の盾のように、有害な影響から私たちを守ります。このエッセンスは人生の転機の時、妊娠中、引っ越し、学校や職場が変わるなどの、大きな環境の変化がある時にも、またセラピストがクライアントの感情に巻き込まれず適切にサポートをするためにも使うことができます。傷つきやすく敏感なタイプの方には特にお勧めいたしますが、そうでなくとも、人ごみの中に出かけるときや、初めての場所に行くとき、苦手な人と会わなくてはいけないときや、環境があまり良くない場所に出かけるときなど、一時的なエネルギープロテクションとして使うことができます。また電磁波による感情の障害、つまり集中力の欠如や記憶障害などを改善するために、電気機器の前にボトルを置いて使うこともメーカーより推奨されています。
ヤロウという優れた薬草の持つ、見えないレベルでの力強いサポートを受けて、大勢の人が集まる場所でネガティブな感情にさらされたり、電磁波などの有害なエネルギーが飛び交うような、まるで戦場のような都会生活の中でも、私たちは光の防具を装着することができるのです。この光は、わたしたちが本来持っている生命力が内側から発する、まばゆい輝きであるとも言えるのです。
★感情を癒し穏やかにするための、5つ目の貝殻
FES北アメリカエッセンス「ディル」
ディルは、セリ科イノンド属の一年草です。
ディルは細い茎を真っすぐに伸ばし、傘のように広がった、いかにもセリ科らしい姿をした黄色い花を咲かせます。やわらかな葉は食用となり、爽やかですっきりとした食欲を刺激する香りがして、噛みしめるとほんのりとした甘みを感じます。
ディルは消化器の働きを助け、唾液や胃液の分泌を促し、胃もたれや消化不良などの症状を和らげます。また種子は漢方薬として使われ、やはり消化機能を高めるために使われています。
フラワーエッセンスのディルのキーワードは、過度の刺激、圧倒、五感。
外側から絶え間なく流れ込んでくる刺激に圧倒されて、感情的に苛立ったり、精神が消耗して不眠になったりしてしまう時。都会生活の中で、感覚機能が大量の情報を受け止めきれずに、強いストレスとなってしまうような時。そんな時にディルのエッセンスは、大きな黄色い傘のような花を広げて、消耗した私たちの感覚をしっかりと守ってくれます。そしてその黄色い翼の下でしばし休み、神経を沈め、五感をなだめるよう促してくれます。
ディルのエッセンスは、感覚面のバランスを取り戻し、本来の豊かな感受性を取り戻すことをサポートしてくれるのです。
消化器の機能を高めてくれる薬草であるディルは、フラワーエッセンスとして命を吹き込まれたとき、肉体のレベルを超えて「エネルギーレベルでの消化」を助ける光の治療薬として、鮮やかに生まれ変わります。
その爽やかな芳香のように、すっきりとした意識でクリアな日常を取り戻すために、魔法の庭で作られたディルの花の雫を、春の食卓で味わってみてください。
★感情を癒し穏やかにするための、6つ目の貝殻
FES北アメリカエッセンス「セントジョンズワート」
セントジョンズワートは、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草です。和名はセイヨウオトギリ。
この鮮やかな黄色の花には、光と闇というテーマがあります。学名のHypericumは「亡霊に打ち勝つ」という意味のギリシア語からつけられていますが、この植物は悪霊から身を守るハーブとしても使われてきました。
薬用ハーブとしてのセントジョンズワートには、鎮静作用と抗鬱作用があり、精神を高揚させたり、不安や緊張を和らげるなどの、神経系への優れた働きが認められています。また太陽光線への感受性を高める作用があるので、冬などの太陽の日照時間が少なくなる時期に見られる鬱症状(SAD)の改善などの効果がみられることが分かっています。
セントジョンズワートのフラワーエッセンスのキーワードは、光と闇、恐れ、不眠。
神経が過敏で、暗闇を恐れたり、悪夢を見るために不眠がちだったりする場合に、この光の花のエッセンスが力強い効果を発揮します。
肉体に近いエーテル体に比べて、アストラル体が拡張しすぎている場合、私たちの魂を守護し、ネガティブな存在から自らを保護するための強さを目覚めさせてくれます。
また光に対して感受性が高すぎる場合、日光に弱くて肌が日焼けしやすかったり、熱や光の刺激が強すぎると感じることがありますが、そのような時に光に対しての過剰な受容性の高さを、エネルギーレベルで調整してくれます。
セントジョンズワートは、私たちの意識に光を当てて、光と闇のバランスをとることを助けてくれます。この鮮やかな花はまさに、私たちを内なる暗闇から解放するための、神聖なる光の治療薬なのです。
さて、耳に当てた白い貝殻からは、どんな物語が聴こえてきましたか。
それは、遠く水平線の向こうから繰り返し打ち寄せる豊かな調べでもあり、同時に、いまこの瞬間ハートの中に鳴り響くよろこびのリズム、でもあるのですね。
それではまた、近々お会いいたしましょう。
Coming Home編集部 浅野 典子
参考書籍
「大自然からの贈り物~こころと体を癒す世界のフラワーエッセンスガイドブック」(ネイチャーワールド株式会社)
「フラワーエッセンスレパートリー」(BABジャパン)
「フラワー療法辞典」(産調出版)
「コルテ・フラワーエッセンスの癒しの世界」(フレグランスジャーナル社)
2023年4月21日公開