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はなやかに熱帯の花ひらく、ふゆの夢の島熱帯植物園さんぽ~前編

 

私たちが『夢の島熱帯植物園』を目指したのは、2月のとある朝。

 

この日、春の気配はまだ遠く、吹く風はとてもつめたくて。

 

冬のコートの襟元をきゅっと閉めて、冷えたゆびをポケットにしっかりとしまって、「寒いねぇ」と互いに言い合いながら、公園の最寄り駅である新木場駅の改札を足早に抜け、まずは駅前のカフェ『CASICA』へと向かいました。

ここは、アンティーク雑貨のセレクトショップでもあり、ボタニカルショップでもある、とても素敵なお店。

センスの良い鉢植えに植えられている、生き生きとした緑の植物たちを、クラシックなテーブルでお茶を楽しみながら眺めることができるのです。

 

 

倉庫をリノベーションした建物には蔦が絡まり、とても雰囲気があるのですが、お店を出てふと振り返ると、私たちにはお馴染みの植物が花を咲かせていました。

 

冬になると、金色のほわほわの毛に包まれた、可愛らしい白い花を開かせる、あの樹木。

ファー・イースト・フラワーエッセンス(FE2)の原料でもある、枇杷。

 

FE2のビワのエッセンスのテーマは、信頼。

冬のさなかでも金色の毛皮に包まれて、豊かに花を咲かす枇杷の花は、ハートをあたため、こころを開いて、人生への信頼を取り戻すことをサポートしてくれます。

 

花の最盛期からは少し外れていましたが、それでも黄金の毛並みは美しく、ブルーグレイの冬の空にそっと、バラ科植物らしいやさしい彩りを添えていました。

 

 

緑いっぱいのカフェでほっこりとあったまった後は、再びコートの襟をかき合わせて、本日の目的地である熱帯植物園の大温室を、ふたりで目指します。

 

道の途中、松の木の枝にたくさんの目白たちが集まっていて、その可愛らしさに思わずほっこり。

 

 

温室に続く道には、ユーカリやデイゴ、ヤシなど、熱帯・亜熱帯の植物がふんだんに植えられていて、しだいに景色は南国のような雰囲気へと変わってゆきます。

冬の海から冷たい風が絶え間なく吹き付けてくるにも関わらず、だんだんと体がぽかぽかとあたたかく感じられてきました。

 

 

それもそのはず。

この公園の下には清掃工場からのパイプラインが通っていて、125度の高温水が流れているのです。

私たちが目指す植物園の大きな温室とその周辺は、こうして集められたごみの焼却時の余熱で、熱帯の植物が生き生きと暮らせるように、常に温められているのです。

 

そもそもここは自然の島ではなく、人工の島。

戦後には海岸沿いにヤシの木が植えられ、海水浴場として使われ、一時は東京のハワイと呼ばれていたそうです。

それが1950年代から、ごみの埋め立て処分場として使われることになり、さまざまな不要物が焼却することなくそのまま投棄されていましたが、さまざまな環境問題が持ち上がり、16年が経過した1966年にようやく埋立地から公園へと、その姿を大きく変えたのでした。

 

そんな壮絶な歴史のある夢の島ですが、今はその面影もほとんどなく、まるで南国のような美しい緑が広がっています。

ただ、いま私たちが歩いている道の下に、過去の負の遺産が今もたくさん埋まっていると思うと、とても複雑な気持ちにさせられるのです。

環境に関する問題は、いつの時代に生きる人にとっても、大きな課題で在り続けています。

 

 

道の下に眠る歴史に思いを巡らせながら、島の道を歩いてゆくと、大きなドームが見えてきました。

ここが、埋立地が閉鎖されてから10年後、1998年にオープンした「夢の島熱帯植物館」です。

 

大温室には3つのドームがあり、熱帯のマングローブに生きる植物や、ドームの天上を突き抜けそうなほどに巨大なヤシ、バナナやカカオなどのほか、ユニークな形をした食虫植物、小笠原諸島の貴重な固有種などにも出会うことができます。

 

地中の温水パイプの影響で、厳しい寒さがだいぶやわらいでいたので、私たちは大温室に向かう前に、屋外の広場の植物たちを眺めることにしました。

 

まずは前庭広場から。

バッチフラワーエッセンスの原料としても知られている、オリーブの木。

木の下に佇むと、大いなるものに守られているような感覚があり、余分な力が抜けてとてもほっとしました。

バッチのオリーブのフラワーエッセンスは、心身ともに消耗し疲れ切ってしまった人の、肉体と感情のバランスを取り戻すことを助け、新天地を目指して飛んだ鳩がオリーブの枝を加えて戻ってきた神話のごとく、希望に満ちた毎日を取り戻すことを力強くサポートしてくれます。

 

 

こちらは、くっきりとあざやかに赤い、キダチアロエの花。

FESのアロエベラのフラワーエッセンスは、バルバドスアロエの花から作られています。

バルバドスアロエは、このキダチアロエよりも肉厚で大きく、黄色い花が咲きます。

疲労感とともに、情熱が燃え尽きてしまったような感覚があり、無気力に陥ってしまった時、このエッセンスが、再び生命力に満ちる溢れることができるよう助けてくれます。

 

アロエベラも、オリーブも、ともに再生というキーワードがあります。

夢の島が、もう一度熱帯の花の咲く島として、地中に暗い歴史を秘めながらも、廃棄物の処分場から緑の公園へと生まれ変わった場所であるということが、ふと思い浮かびました。

 

これから未来へと進んでゆく私たちは、訪れる場所の古い歴史を知ることを恐れず、意識を変えて進化してゆくための鍵としてゆくのではないだろうか。

むりやり目を瞑ったり忘れ去ったふりをするのではなく、そのままの事実を認めて、過去の影を未来の光へと、私たちひとりひとりが変換してゆくのではないだろうか。

 

光と手を繋ぐ私たちの、ふたたびの情熱。

静かにあたたかく灯る、再生の火。

 

過去の歴史は変えられませんが、私たちはたゆまず成長し続け、ひとりひとりの意識を大きく変えてゆくことならば、きっとできるのです。

人口の島の、熱帯の樹が豊かに根を伸ばしている土の上に、しっかりと立ちながら、私はそんなふうに思いました。

 

 

 

 

見上げると、思わず南国の島にいるような錯覚をしてしまうほどに、花盛り。

色あざやかな、美しいブーゲンビリアが、広場を歩く私たちをやさしく見守っていました。

 

 

広場で華やかな花たちを楽しんだ後、私たちはゆっくりとハーブ園へ向かいました。

清らかなカルフォルニアホワイトセージの白く輝く葉、やわらかな黄緑色のフェンネルの葉、紫色の高貴なラベンダーの花。

 

PHIエッセンスのラベンダーのフラワーエッセンスは、第7チャクラに作用し、高ぶった神経を穏やかに静め、心の平安を取り戻すために感情を洗い流すことをサポートしてくれます。

 

FESのセージのフラワーエッセンスは、コモンセージ(ヤクヨウサルビア)の花から作られています。

セージのエッセンスは、自らの人生経験の中から知恵を引き出して、洞察力を高めて、高い視点で人生を眺めることを助けてくれます。

 

ハーブ園の可愛らしい花や葉を、時々しゃがみこんで、その可憐な顔をそっと覗きながら、それぞれのフラワーエッセンスの効能について語り合っていると、あっというまに時間が過ぎてゆきます。

このままではドームに入る前にタイムアップとなってしまいそうだったので(笑)、私たちは後ろ髪を引かれつつ、ちいさなハーブ畑を後にしたのでした。

 


 

さて来月は『はなやかに熱帯の花ひらく、ふゆの夢の島熱帯植物園さんぽ』の後編をお届けします。

フラワーエッセンス好きの私たちはいよいよ、大本命のあったかなドームの中へと潜入いたします。

 

ちなみに大温室のある建物の中には、珍しいオーストラリア庭園があるのですが、自然療法オタクとしてはやはり、胸どきどきの絶対見逃せないエリアですよね(笑)

ここは順路として、ドームの中を回った後に見学できるので、大温室に咲いていた色鮮やかな植物たちをご紹介した後に、わくわくご案内したいと思います。

 

それでは来月、魅力的な熱帯植物いっぱいの、ぽかぽかドームの中でまたお会いいたしましょう!

 

 

案内人(文) 編集部あさの

写真 編集部まるやま・あさの


 

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どうぞお手に取ってご覧になってくださいね。

 

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