表紙と裏表紙に纏わる物語①
~黄金色に染める白の花、夕暮れに染まる赤の花~
白の章
冬至がやってきました。
「Coming Home」2号が、ちいさな羽をひろげて、
ゆたかな世界へと次々と飛び出してゆきます。
発売日にお手にとってくださったやさしい皆さま、
そしてこれから手にしてくださるたくさんの方々へ、
ほんとうにありがとうございます。
ちいさな冊子を存分に楽しんでいただくために、
本日より、「Coming Home」編集部がこれから少しずつ、
各ページの見どころ読みどころをご案内させていただきたいと思います。
さて、今宵語らせていただくのは、「表紙と裏表紙に纏わる物語」。
膝の上に小冊子をぽんと乗せていただいて、あたたかいお茶を飲みながら、
ゆっくりとご覧くださいね。
まずは表紙の物語から、お話してゆきましょう。
清らかな水の上に浮かぶのは、白く清らかな榊の花々。
表紙写真は、ファー・イースト・フラワーエッセンス「サカキ」が太陽法によって作られている様子、その一場面になります。
太陽の熱によりあたためられ、花のエネルギーが水にゆっくりと転写されてゆく、その奇跡的な瞬間をとらえた、
貴重な1枚をお借りいたしました。
榊は、モッコク科サカキ属の常緑小高木。
神棚や祭壇に供えられてきたことから、日本人にはとても馴染み深い植物でもあります。
神社などで、厚みのあるつややかな葉を見たことがある方は多いと思います。
では、榊の木が花をたくさん咲かせている、神々しい姿を見かけたことはありますでしょうか。
初夏のころ、透明感のある白い花々は香り高くひらき、社の神木の枝先は、地上を照らす天界の灯りのように、
あかるくひかり輝いているのです。
さて、ファー・イースト・フラワーエッセンス「サカキ」は、その榊の花からつくられています。
『天上から地上に向けて振り注ぐ光。心の奥深くに沈む重く暗い感情に光を当てて、軽やかに開放する。浄化と解放。』
(リサーチエッセンスパンフレットより)
冬至が近づくある日、地上近くに渦巻く感情の渦に巻き込まれそうな時、私はこの「サカキ」のエッセンスをとりました。
その重い情念は、見知らぬ人々が持ち寄った、暗く濃い色合いの、うねるように打つ集合意識でもあり、
身近な親しい人たちの抱え続けてきた見えない荷物でもあり、私自身が古くからずっと抱え続けてきた悲しみの塊でもあったのです。
清らかな榊のひと滴は、そのとき、まるで禊のように、私の見えない体の何層にもわたる苦しみを、
丁寧にひとつひとつ洗ってゆきました。
何層にもわたる手放しに伴う、古きものが剥がれ落ちゆく時の、かすかな胸の痛みを目を閉じたまま感じていると、
静かに涙が頬を伝ってゆきました。
なにもせずそのままに、ただ体験に身を委ねます。
しばらくすると、見えない体があかるく光りはじめていることに気がつきました。
同時に、私自身が白装束を着て、ゆっくりと、ひかりの神殿へと上がってゆくイメージが浮かびました。
そのときの静かな体験を思い出しながら、「Coming Home」2号の表紙に咲く榊の花を眺めてみると、
いつもとは違う新しい視点が生まれてきたのです。
太陽に照らされ、優雅に水の上に浮かぶ、白の花びら。
その榊の花々が、エッセンスとして変容すべく、喜びの中でその身を地球の水へとひらき、
清らかな水の中で、静かに禊をしているようにも見えたのです。
私たちがその身に長く絡みつかせてきた、重い感情の鎖を外す時、天の光に照らされて、それはかろやかに浄化され、
地上で果たす約束とまっすぐに結ばれゆく。
それこそが、魂の喜びであるのだと感じたのです。
榊のエッセンスが地上に生まれたとき、透明な禊の水が、美しい金色に染まったそうです。
その金色の光を、自分らしいゆたかさを見つけるための花の旅、そのさいしょの扉である、今号の表紙に迎えることができて、
とても光栄です。
「Coming Home」をお手に取ってくださる、皆さまの旅路を、榊の花が放つ天上の金の光が、いつも明るく照らし続けることでしょう。
それではともに表紙を捲って、金の扉をひらき、宇宙へとつながる豊かさの旅へと出かけましょう。
2021年12月22日 冬至
Coming Home 編集部 浅野典子